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エコ森林通信 vol.35 『辰』に由来する植物

自然環境部 陸域担当チーム
森山 友雄

 

 

 みなさま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 今年2024年は辰年ですね。そこで今回は特別号といたしまして、辰(竜、ドラゴン)にちなんだ植物のうち、人に役立っているものを中心にいくつか紹介したいと思います。

 

●リンドウ(別名(生薬名):竜胆)
 本州、四国、九州に分布する。竜の胆のように苦いといわれ、生薬名は竜胆と名づけられました。唾液や胃液の分泌を促して、消化の働きを増進させる効果があります。


写真はエゾリンドウ(撮影:エコニクス)

 

●リュウノウギク(漢字名:竜脳菊)
 本州(福島県以西)、四国、九州に分布する日本固有種。茎や葉の香りが竜脳樹から採る香料「竜脳」に似ていることからついた名前。秋に全草を採取し、乾燥させたものを風呂に入れて入浴すると、血液循環が良くなり、冷え症や腰痛などに良いとされます。

 

●キンミズヒキ(別名(生薬名):竜牙草)
北海道から九州に分布する。タデ科のミズヒキに似ていて花が黄色なのでついた名前。全草にタンニンを含んでおり、止血薬・下痢止めなどに良いとされています。

 

●リュウノヒゲモ
 日本全国に分布し、淡水または河口近くの汽水域に生育する沈水性の水生植物です。全体的に長く、細長い葉の形が「竜のひげ」に似ているということで、この名が付けられています。特に人に利用されていませんが、水鳥が餌としているようです。環境省のレッドリスト2020では、準絶滅危惧(NT)に選定されており、生育環境の埋め立てや悪化により減少傾向にあります。


写真はリュウノヒゲモ(撮影:エコニクス)

 

●ドラゴンフルーツ(漢字名:火龍果)
 別名ピタヤ。熱帯アメリカでは数属のサボテン類を総称してピタヤといい、果実が竜のうろこのような果皮をしているものをドラゴンフルーツと呼びます。乾燥地帯のサボテンとは違い、ジャングルで木に抱きつくように伸びるつる植物です。国内では沖縄県や鹿児島県などで栽培されています。南国のイメージがありますが、丈夫で手間がかからないため、家庭でも工夫すれば、結実できるようです。今年は辰年。ドラゴンフルーツの栽培にチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。

 

 『辰』という文字は草木が生長して形が整う状態を表すと解釈されることから、『辰年』は活力旺盛になって大きく成長し、形が整う年だとされています。今年の干支が示すように、「努力が実り、夢が叶う。」そのような年になるといいですね。

 

[1]薬草に親しむ https://www.eisai.co.jp/museum/herb/familiar/dragon.html

[2]木のぬくもり・森のぬくもり https://www.jugemusha.com/index.html

[3]趣味の園芸 https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-949

[4]マイナビ農業 https://agri.mynavi.jp/2020_05_07_117551/

 

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