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エコ森林通信 vol.26

空からエコニクスの森林を見てわかること

自然環境部 陸域担当チーム
神 昌行

 現在、ドローンは農・林・水産業、建設業、物流業、映像撮影、軍事など様々な分野での利用が進んでおり、私たちの生活により身近な存在となっています。弊社が生業とする環境調査の分野でも同様で、私が専門とする植物関連の業務においてもドローンが様々な場面で活用されています。

 そこで、エコニクスの森林をドローンを用いて撮影した画像を紹介したいと思います。

 下に示した2枚の画像は、晩秋のエコニクスの森林を上空から撮影したものです。上の画像は2022年10月20日、下の画像は2022年10月27日にほぼ同じ箇所を撮影しました。1週間しか変わらないのに森の姿は一変してしまいました。

 上の画像では、様々に色づいた木々の葉からダケカンバ、ミズナラ、シナノキ、アカイタヤ、ハウチワカエデなど種々の落葉広葉樹と、トドマツやエゾマツなどの常緑針葉樹との混交林(針広混交林)であることが良くわかります。一方で、下の画像では、木々の葉は全て落ち、ダケカンバの白い幹と緑葉を保つトドマツやエゾマツとのコントラストが際立ちます。また、上の画像では木々の葉に覆われ上空から確認することができなかった林内の状況が、落葉後の下の画像では把握できるようになりました。このように、撮影する時期を変えることで、様々な情報を得ることができます。 

 エコニクスの森林は札幌市南区定山渓の標高600~700m程に位置しており、今回の空撮画像や過去の植生調査の結果などから総合的に判断すると、ミズナラやシナノキ、トドマツなどが生育する山地帯の植生と、エゾマツやダケカンバなどが生育する亜高山帯の植生が混在する、移行帯に位置していることがわかります。

 ドローンは、航空機や人工衛星のような広域的な画像の撮影には向いていませんが、より狭い地域を対象とした植生調査においては、機動性に優れ、対象とする植物が識別しやすい時期に高解像度の画像を取得することができるという利点があり、調査精度や作業効率の向上を図ることができます。さらに、レーザーを搭載したドローンを用いることにより、地形や樹高、木の位置などの三次元データを取得することができ、より高度な解析を行うことで森林の姿をより詳細に把握することができます。

 


【撮影日:2022年10月20日】

 


【撮影日:2022年10月27日】

 今後も、四季折々のエコニクスの森林の姿をドローンを用いて紹介していくとともに、お客様の様々なニーズに答えるべく、ドローンを活用した最新の調査・解析手法の導入にも積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 

エコニクスの森林2022年10月20日

エコニクスの森林2022年10月27日

生物多様性、J-クレジット、脱炭素、森林サービス、ドローン、空撮、空中写真、植生

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