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藻場通信

磯焼けの海を海藻の

藻場通信 vol.4

 まず初めに、弊社が函館港に設置している水中ライブカメラの映像写真をご紹介します。掲載している水中の写真は海がやや時化ている状態です。設置した施設に着生したコンブが、このような時化などで飛ばされること無く順調に成長し、生き抜いております。

 下記ではコンブの生き残りをかけた戦いの一部をご紹介します。

 

写真 水中ライブカメラの映像(2021年4月20日)

 

 前号(vol.3)は、多種多様な海藻との生存競争についてお伝えさせていただきました。今号では、コンブへの捕食生物からの脅威についてご紹介させていただきます。

 コンブが生きる世界でも捕食の脅威にさらされる場面が多くあります。コンブは、若い胞子体から立派な大人になるまでの間、ウニや巻貝などの植食性生物から捕食される危険にさらされています。映画や漫画で人間がエイリアンや巨人から捕食されそうになった際、戦ったり、走って逃げたりする場面をよく目にすると思います。

 コンブは、残念ながら人間のように移動したり、戦ったりすることができないため一方的に捕食されてしまいます。

 

ウニがコンブを捕食している状況

施設の近景

 

 そのため弊社では、今回設置した施設で試験的に捕食圧対策を講じており、そのうちの一例をご紹介します。

 今号の冒頭の「写真 水中ライブカメラの映像」にも映っていますが、単管で組み上げた施設もその一環で、捕食者の侵入経路を限定することでウニ・巻貝類との接触機会を減らし、捕食圧低減を図っています。

 施設の上段と下段ではコンブの繁茂状況が大きく異なっていると思いますが、これは、下段では捕食圧を受けており、上段ではその脅威から守られていることが推測されます。弊社はこのような仮説を立ててその正誤性を明確にし、より効果的な対策を講じることで確実にコンブを保全していきます。

 これらのことからコンブが生育するための「家」を与えるだけでなく、その後にどれだけ長い間、安全を提供できるかも今回の試験テーマとしています。

 

 次回は、5月25日に公開予定です。

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