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エコニュースVol.257

2014年11月01日

<海環境シリーズ Part12>

光ファイバを用いた海洋観測システムの実証試験を開始します。

株式会社エコニクス 環境企画部
研究企画チーム 筒井 浩之

 エコニクスでは、光ファイバを用いた海洋観測システムの開発を共同企業社(順不同・敬称略)である東日本電信電話株式会社、古河電気工業株式会社、日本コムシス株式会社と取り組んでいます。
 光ファイバを用いた観測システムは、大容量のデータの伝送が可能なこと、光ファイバを使用した光センサを使用した場合、電源が必要ないため、長期間に渡っての観測が可能になる等のメリットが考えられています。また、陸上には光ファイバ網が整備されており、取得したデータを様々な場所に送ることが可能になります。しかし、光センサはこれまで海での使用実績がないこと、測定できる項目が限られていること、そして現段階では高額であること等で実際に海洋観測へ導入されることはありませんでした。
 そこで、本開発では弊社マリンラボが入居する3方を海に囲まれた函館市国際水産・海洋総合研究センターの一部を借りて観測システムの実証試験を行うため、今年度の初めから準備を進めてきました。試験は研究室から光ファイバケーブルを試験箇所の海域まで敷設して、光センサを実際の海中に設置して行います。得られたデータは、研究室のPCでリアルタイムに確認できるようになります。
この実証試験では、

 

  1. 海域で使用実績がない光センサを用いた水位計の耐水、耐圧、防食性などの試験。
  2.  現在は光センサで測定できない溶存酸素や水素イオン濃度、塩分などについて、既存の電気式センサと光ファイバを用いた給電システムを使用した測定、データの伝送試験。

 

などを実施する予定です。
 現在、これらの準備が整いつつあり、11月には光ファイバケーブルの陸上部の敷設を行い、その後、各種センサについての試験を開始する予定です。まだ、解決すべき課題は多くありますが、光ファイバを用いた海洋観測システムが、水産業を始めとして、様々な分野で活用されるようになることを目指して試験に取り組んでいきます。
 なお、本実証試験は全国中小企業団体中央会の「平成25年度補正 中小企業・小規模事業者 ものづくり・商業・サービス革新事業」として、助成していただいております。

 
接続試験状況

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