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エコニュースVol.308

2019年02月01日

けあらし(気嵐)

 北海道の方言である「けあらし」は、気象用語で「蒸気霧」(じょうきぎり)といわれているものであり、冷え込みの厳しい日に海面に発生する湯気のようなものをいいます。放射冷却により冷え込みが強まった日に内陸や山地の空気が冷やされ、その冷やされた空気が暖かい海面上に流れ込むと、海面から蒸発した水蒸気が急激に冷やされます。そしてその霧が発生する現象を「けあらし」と呼び、海面が穏やかな日に多く観察されます。

 観察される霧は、蒸気機関車の煙突からモクモクと出る白い煙のような感じを受け、ある時は朝日に照らされて靄(もや)のように見えることもあります。

 

 

 風が穏やかで寒さの厳しい日に発生した「けあらし」はその後の気温の上昇などの要因により消滅してしまいますが、沿岸漁業では小型漁船の船舶の航行に支障を及ぼすことがあることから、漁業活動に影響があります。

 北海道の冬に見られる幻想的な光景として、「けあらし」の他に「ダイヤモンドダスト」があります。大気中の水分が凍結して氷晶と呼ばれる細かな氷の粒になり、この大気中に漂う氷の粒が太陽の光を反射してキラキラと輝いて見える現象が「ダイヤモンドダスト(細氷現象)」と呼ばれています。

 いずれの現象も厳冬期に起こる風物詩ですが、厄介であり、そして幻想的でもあります。

 

 なお「けあらし」は海岸沿いで稼働している火力発電所や原子力発電所の近傍で発生すると温排水の影響と見間違えることがあります。

 発電所から海に温排水が水中放流される方式では、温排水が広く拡散されて希釈されることから、海面に上昇する頃には周辺海水温と同程度となっています。このように温排水は十分に冷却されることから、温排水を放出する放水口付近の海面には「けあらし」のような水蒸気が人工的に立ち上るような現象はほとんど見られません。電気事業者は発電所を立地する際に、温排水の拡散実態について十分に調査をおこない、そして対策を講じているからです。

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