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エコニュースVol.019

1995年01月01日

海の生物シリーズ Part1・プランクトンの役割

顕微鏡の世界へLet’s Go!

株式会社エコニクス
 品質管理部 岩渕 雅輝

 プランクトンとは浮遊生物と訳され、少しは泳ぐことができても流れに身を任せ水の中を漂う生物全般を指し、ギリシャ語が語源です。

 プランクトンとして身近なものを挙げると……昨年の夏に海水浴の厄介者となったカギノテクラゲや、某ジャズミュージシャンのCMで有名なミジンコ、最近とみに有名となった流氷の妖精クリオネなどが即座に頭に浮かびます。これらは生涯をプランクトンとして過ごしますが、魚の稚魚の様に生涯ではなく一時期をプランクトンとして過ごすものもあります。

 プランクトンは肉眼では確認できないような大きさの生物が殆どですので、顕微鏡が発達する今世紀近くになるまでは市民権を得られず、ドイツや北欧、イギリスで研究が進み我が国では明治になってようやく研究され出しましたが、初めはドイツ語の研究書を読む事から始まった様です。

 プランクトンは水のある所では必ずと言っていいくらい見いだせます。沼・湖・河川・海…果ては地下水まで。

 プランクトンを大きく分けると、植物と動物に分けられます。植物プランクトンは水の生産力の要として重要で、生物の死骸をバクテリアが分解する事でもたらされる栄養塩を細胞内に取り込み、太陽の光エネルギーを利用して光合成をする事で生命を維持し自分の体(細胞)を作ります。つまり、植物プランクトンは、生態系の中で無機物を有機物に変える役目を果たします。

 ちなみに、光エネルギーは植物細胞の色素体の分子に太陽光線の光量子が取り込まれる事でもたらされ、植物プランクトンの色素体は特に高いエネルギーを持つ黄色の波長帯の光量子によって無機物を有機物に変える大きなエネルギーを出します。うまく出来ていますね。

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