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エコニュースVol.052

1997年10月01日

人工構造物シリーズ Part1・生物に配慮した海洋人工構造物その1

人工魚礁 いま・むかし

株式会社エコニクス
 参与 駒木 成

 水産動物や海藻の増殖を図ることを目的として実施される場の造成は、見方を変えるならば、それらの生物資源の漁場を拡充あるいは新しく造成することに通じます。

 大島泰雄博士(1983、1994)によると、この範疇に属する技法には、戦前から築磯・岩礁爆破・コンクリート塗付岩面造成などがあり、これらの技法のうちには西暦1600年代(徳川時代)以前に遡ることのできるものもあります。

 我が国で始まった漁場造成技法起源の主なものを年代順に見ると、稚アユ捕獲制限(繁殖保護の起源、676)、有磯貝の移植 (移植の起源、746)、魚と鳥の蓄養(蓄養の起源、782~806)、土佐藩における岩石投入と築磯(人工魚礁の発祥、1652~1655)、海岸の山焼禁止(魚付林保護、1657~1664)、津軽今別村での投石によるコンブ礁造成(1716~1396)、淡路島漁師によるコショウダイの木枠築磯発案(人工魚礁、1794)、渡島福山の漁師によるコンブ苗付着石を島牧から寿都樽岸への移植(コンブの移植、1818~1829)などが記されています。これが戦後になると、その種類が増加し、技術開発の進展とともに、構造と規模が様々な人工魚礁が出現し、沿岸浅海漁業の振興に重要な役割を果たすようになります。

 昭和29年では、魚類対象の人工礁に「人工魚礁」の名称を付け、無脊椎動物や藻類対象の「築磯」と区別することが定められました。同時に、国補助事業として実施される人工魚礁の資材にはコンクリート・ブロックの使用が指定され、割石、木造廃船、土管などの魚礁は主に県単補助事業でのみ見られるようになりました。この「築磯」は、昭和51年度以降からの沿岸漁場整備開発事業では、「増養殖場造成」と変更されました。

注:大伴家持、越中の国王となり、紀州より越中灘浦に有磯貝を移植(天平18年)

なお、今シリーズの筆者は、平成10年8月20日に他界しました。関係者の方々には、生前、公私にわたり多大のご高誼を賜りまして、誠にありがとうございました。

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