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エコニュースVol.236

2013年02月01日

<CSRシリーズ  Part1>

CSRと自然環境の保全

株式会社エコニクス
戦略推進室 栗原 縁

 CSRという言葉を耳にしたことがあるでしょうか。企業は利益を求めるだけでなく、事業活動が社会・環境へ与える影響に対する責任を果たすという考え方で、『企業の社会的責任(CSR:corporate social responsibility)』といいます。環境に関わるCSR活動の中には、地球温暖化対策、資源の循環利用、環境汚染物質の削減、自然環境の保全など、さまざまな活動があります。その中で、最近では、2010年のCOP10でも注目を浴びた“生物多様性”を保全する取り組みが多く見られるようになってきました。
 各企業のCSR・環境レポートでよく目にする生物多様性保全の取り組みは、植樹、森林保全、壁面・屋上緑化、ビオトープ造成など、各地域に緑を増やす社会貢献活動が多いようです。特に植樹などは当たり前のように行われています。しかし、陸上における保全活動と比べ、海の保全を行なう企業は非常に少ないように見受けられます。海の中は簡単に見えず、一般的に知られていないからなのかもしれません。
 自然環境をみると、陸上だけでなく海でもさまざまな問題があり、海の資源の減少などを招いています。その中で弊社が注目しているのが、“磯焼け”と呼ばれる藻場(海藻の群落)が減少する問題です。陸でいう野生生物の餌場や棲みかとなる“森林”が海でも減少しているのです。弊社がお手伝いしている神恵内村藻場 LANDプロジェクト事業は、海藻を増やし、“海の森林”を作ろうと活動を続けており、この事業は企業のCSR活動によりご支援いただいております。
 

 最近では、CSR活動を“ただの社会貢献”ではなく、“本業と一体化させたCSR活動”として行っている企業が増えてきました。例えば、トヨタ自動車株式会社では、ハイブリット車“アクア”の名前から、全国各地で水辺の保全活動を行なっています。このように、企業の商品の社会価値を高め、環境保全活動に繋げていく企業が今後も増えていくと考えられます。
 私たちは森・川・海から恵みを与えられており、これからも自然環境を守り豊かにしていかなければいけません。まずは、多くの方々に、陸上だけでなく海も含めたすべての環境の現状を知っていただき、企業の事業活動と自然環境の保全が組み合わさる形を作り上げることを目指していきたいと考えております。

<参考資料>
日経エコロジー 2012年4月号  日経PB社

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