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エコニュースVol.089

2000年11月01日

北海道のイトウシリーズ Part3

イトウの利用について

北海道立水産孵化場
 養殖技術部 寺西 哲夫

 北海道内でイトウを生産し出荷しているのは、阿寒湖漁協と南富良野町の2箇所、道外では青森県の鯵ヶ沢町だけです。鯵ヶ沢町では1kg 6,000~8,000円で取引しているそうですが、イトウを出荷サイズまで育てるには4~5年かかりますから、このくらいの値段がついても仕方がないのかもしれません。道内の2箇所は鯵ヶ沢町より安くしてるものの、物珍しさで売れる部分もあるでしょうが、値段が高いのではたくさん数を出荷できる状態にはないようです。

で は、イトウをどう利用したらよいのでしょうか。イトウは釣り人には大変な人気のようで、数種のイトウ釣りの本や釣り雑誌でのイトウ関連の記事が出ていることがこの人気を物語っています。今後イトウを利用しようとするなら、「イトウと釣り」を念頭におくべきかもしれません。

 しかし、ブラックバスやブラウントラウトのように川や湖への勝手な放流はいけません。もともとそこに棲んでいる生物がおり、その水や生物を利用している人達がいるのです。水の利用には様々な制約がついています。川や湖は個人のものでなく公共のものです。イトウも例外ではありません。もし魚を放流を考えている方がおりましたら、北海道立水産孵化場までご連絡ください。ご相談に乗ります。

参考文献:
イトウの養殖技術(新魚種開発協会,1997年)
北のさかなたち(北日本海洋センター,1991年)

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