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エコニュースVol.090

2000年12月01日

HACCP(ハサップ)シリーズ Part1

HACCPは衛生管理のパスポート 

株式会社エコニクス
R&C部 地域振興グループ 清田 健

 最近「HACCP(ハサップ、ハセップ)」という言葉をよく聞きます。これは「Hazard Analysis Critical Control Point」の略で、危害分析重要管理点(方式)と呼ばれる食品衛生管理の方式です。アメリカのNASAで宇宙食の製造のために開発されました。

 このHACCPでは、製造に際してHA(危機分析)を行い、工程上のどこがCCP(重要管理点)なのかを見極めるとともに適正な管理を実施することによって、安全性を担保します。従来のように、製品(出荷)段階での検査を行うだけでなく、製造工程のいくつもの段階で適切な管理や検査等を行うため、製品の安全性が極めて高いと考えられています。このためアメリカやヨーロッパ(EU)が法律で義務づけている他、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アジア諸国などでも次々に導入されています。

 我が国でも、主に二つの承認・認定制度のもとで導入が進んでいます。一つは、食品衛生法(H7.5改正)の「総合衛生管理製造過程に係わる承認方式」です。H12.6.23現在、948件522施設が厚生大臣により承認されています(図)。もう一つは、対米(欧)輸出水産物水産食品に関する認定です。HACCPを法律で義務づけている国への輸出にはHACCP方式が不可欠で、主に都道府県から認定を受けます。H12.3.31現在、104の最終加工施設(対米)が認定されています。HACCPは、ISO14001(環境)やISO9000シリーズ(品質)同様、食品安全性についての世界標準となりつつあり、輸出入時のパスポートの役割を担っています。また、PL法への対処になる上、安全性の指標が得られることで付加価値が生まれます。これらを背景に今後一層HACCP方式の導入は増えるものと思われます。

次号ではHACCP方式について、より詳しくご紹介いたします。

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