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2016年06月15日

北海道における鳥類の分布型3・コアカゲラ

株式会社エコニクス 顧問
藤巻 裕蔵

 コアカゲラはユーラシア大陸の中緯度の森林帯に広く分布していますが、日本では北海道だけに分布します。北海道でもおもに生息しているのは、大雪山系や日高山脈の東で、西部ではごくまれに観察された例があるくらいです。

 コアカゲラはキツツキ類の中でも小型で、体長は約16cmで、スズメより少し大きい程度です。体は白と黒のまだらで、雄の頭頂は赤く、他のアカゲラ類によく似ています。コアカゲラは他のキツツキ類と同じく森林性ですが、おもに生息している環境は、防風林や農耕地内の孤立林で、山地の大きな森林ではほとんどみられません。

 キツツキ類は樹木に自分で巣穴を穿ちます。大型のクマゲラ、中型のアカゲラなどは生立木にも巣穴をほることができますが、コアカゲラは小型であるためか、力が弱く、枯れたり腐朽して軟らかくなった樹木にしか巣穴を造ることができません。この点は小型のコゲラも同じです。

 コアカゲラとコゲラはほぼ同じ大きさで、造巣の仕方もよくにており、共通点が多いのですが、上述にようにコアカゲラはおもに防風林や孤立林に生息するのに対し、コゲラは山地の森林に生息し、あまり平野部の小さな林にはいません。いくつかの点で共通点をもつこれらの2種は、生息場所を違えることによって競合することを避けているのでしょう。


コアカゲラ
(撮影:陸域環境チーム 神 昌行)

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