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エコニュースVol.242

2013年08月01日

<東北シリーズ Part1>

牛乳瓶に入ったウニ

株式会社エコニクス
環境企画部 復興推進T 大島広幹

 皆様、8月です!夏です!夏といえば海・・・スイカ、かき氷、BBQ、そしてなんと言ってもウニ!!!今回は食べることが大好きな私が、北海道積丹のウニ・・・ではなく、東北岩手県洋野町(ひろのちょう)のウニを紹介したいと思います。
 さて、エコニクスがなぜ東北なの?という方々も多いと思います。弊社では昨年2月に復興推進準備室(現、復興推進チーム)を設立し、東北の復興、復旧に微力ながら貢献できるように活動しています。その活動地域の一つに岩手県北部に位置する洋野町があります。
 洋野町では、良質なウニを作り出すための様々な取り組みに加え、「増殖溝(ぞうしょくこう)」と呼ばれるウニ漁場を造成しています。これは天然の岩盤に水深約1m程度になるように掘った溝のことで、この溝の中は海藻の繁茂状況が良くウニの餌場に適している、ウニ専用の増殖場です。

増殖溝(洋野町HPより)


 海藻が繁茂した増殖溝にウニを移植し、海藻を食べさせることで身入り、甘み共に良質なウニを漁獲できるという仕組みです。一般的にウニは身入り率が20%を超えると身が入っていると言われますが、増殖溝のウニはなんと30%を超えるそうです。
このように、洋野町ではウニを“ウリ”としており、毎年7月には「洋野町 ウニ祭り」が開催されております。さらにその“ウリ”度合いは町の復興計画の基本施策の一つに「ウニの里と地域産業の復興」と明記する程です。
 増殖溝で漁獲された良質なウニは、殻ウニや塩水ウニなどの他に瓶ウニといわれる商品に加工されます。これは北海道ではあまり知られていませんが、ミョウバン等を一切使用せず、生ウニと海水を瓶に詰めて売られているもので、岩手県北部に多く見られる商品です。乾燥しがちな折ウニや薬臭い塩水ウニとは違い、風味がとても豊かです。

美味かった瓶ウニ(大島撮影)

今回は洋野町を紹介しましたが、各漁村では我々が知らないような様々な商品化の取り組みが行われています。ただ獲るだけではなく、こうした努力のもと、我々の口に美味しい海産物が運ばれて来ているのです。
 最後に、2011年3月11日、東日本大震災により北海道から東北地方の太平洋沿岸は多大なる被害を受けました。2万人近くの方が亡くなったり、行方不明となっており、また多くの建物も被害を受け、いまだに苦しい生活を強いられている人がたくさんいます。今回紹介した洋野町も例外ではありません。
 現在、洋野町をはじめ、各地域で漁業が再開され市場にも活気が戻りつつあります。今後の種苗放流のために海藻を育てたい、ナマコやアワビを増やしたい、などの活力ある声も聞こえ始めています。
 現地へ行くことはあまり出来ない方々も、こうした特産物を購入することで、復興のお手伝いができるのではないでしょうか?

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