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エコニュースVol.369

2024年03月01日

「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律」について

株式会社エコニクス 環境技術部
解析担当チーム 中舘 史行

 

 我が家には、子亀のときから33年間飼育しているミシシッピアカミミガメが二匹います。ミシシッピアカミミガメは、「耳」(に見える部分)が赤いのが特徴で、別名ミドリガメとして、以前はお祭りやペットショップでよくみかけました。赤い部分がないキバラガメとカンバーランドキミミガメの2亜種も含めてアカミミガメといわれているそうなので、ここでは「アカミミガメ」とします。アカミミガメは外来種ですが、日本全国に広く分布しています。


我が家のミシシッピアカミミガメ

※サルモネラ菌を保有しているとも言われているので、動き出す前に撮影しています

 令和4年5月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、アカミミガメとアメリカザリガニは、「条件付特定外来生物」に指定されました。そして令和5年6月1日より、アカミミガメとアメリカザリガニは、野外への放出、輸入、販売、購入、頒布等を許可なしに行うことが禁止されています。

 特定外来生物と条件付特定外来生物の規制の違いは以下に示したとおりで、「条件付」となっていますが、法律的には特定外来生物であるため、違反した場合は、非常に重い罰則が科せられます。

https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/regulation/jokentsuki.html を引用

 特定外来生物への指定は、2023年9月には159種に増え、今後も増えていくと思われます。一方、条件付特定外来生物への指定は、アカミミガメとアメリカザリガニの2種だけです。この2種が条件付特定外来生物に指定されている理由の一つに、飼育者がとても多いことがあげられています。特定外来生物に指定して飼育まで禁止にすると、手続きが面倒などの理由で野外へ放す飼育者が増える可能性があり、かえって生態系等への被害が大きくなる恐れがあるためです。

 そのほか無償譲渡の規制も対象外になっています。一度飼い始めたペットは最後まで大切に飼育することが飼い主としての責任ですが、やむを得ない事情により、アカミミガメやアメリカザリガニの飼育の継続が困難となった場合、引き取り先を探して、譲渡できるようになっています。

 

 アカミミガメの寿命は、20年から40年といわれていますが、我が家のアカミミガメは、まだまだ元気ですので、今後も大切に飼育しようと思います。

 一応申し上げますと、我が家ではカメ、その他生き物全般について譲り受けることはしておりませんので、あしからずご了承ください。

 弊社では野生生物に関する調査等を実施しております。外来生物に関することで困っていることや相談事項がありましらた、先ずは弊社ご相談ください。

 

■参考資料

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