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エコニュースVol.364

2023年10月01日

海水はなぜしょっぱい?

株式会社エコニクス 電力環境部
泊発電所担当チーム 竹田 尚弘

 異常とも言えるほどの猛暑も落ち着き、北海道もようやく過ごしやすい季節になってきました。

 今年の夏は涼を求め、海や川にお出かけになった方も多いのではないでしょうか?

 私も家族で海や川に遊びに行きました。海に遊びに行った際、小学3年生の息子から「海の水はなぜしょっぱいの?」と質問されました。皆さん、お子さんや周囲の方からこの質問をされて上手く答える事が出来るでしょうか?当たり前すぎて考えた事も無かった!という方も多いのではないでしょうか?私は持っている知識を分かり易く説明しましたが(説明したつもりですが・・・)、子供は「???」と怪訝そうな顔をしていました。

 帰宅後、どう説明したら理解してもらえるのか?と思い、インターネットで色々と調べてみました。そうすると、子供から同様の質問をされて上手く説明出来なかった!と書き込んでいる方が大勢いらっしゃいました。このエコニュースをご覧になっている方の中にも、上手く説明する事が出来ない方がいらっしゃるのではないでしょうか?そんな方のために、子供に説明する際の要点をご説明します。

海水がしょっぱい理由は

・海には塩が溶けている
・塩は岩や土に多く含まれている
・塩は水に溶けやすい性質を持っている
・海水は蒸発して雨となり降ってくる
・雨は川となり岩や土に含まれている塩を溶かしながら海まで流れる

となります。

 *注意:海水に塩が溶け込んでいる理由は諸説あり、かつ上記した理由は子供が理解し易いように簡潔に説明しています。

 ちなみに、塩とは塩化ナトリウムの事で、「塩素」と「ナトリウム」の元素から出来ており、この塩素とナトリウムの次に海水に多く溶け込んでいるのは、「マグネシウム」になります。マグネシウムは豆腐を固めるために使う「にがり」にたくさん含まれている元素になり、もしマグネシウムが海水に最も多く溶け込んでいたら、海水は「にがかった」可能性があるそうです。


写真-1 海へと繋がる川(筆者撮影)

 

 海のなぜ?をもう1つ。「コンブは海中でダシを出しているの?」という問い掛けをお聞きになった事がある方がいらっしゃると思います。答えは、「コンブは海中でダシを出しません!」になります。ダシを取るときも海中にある時も水の中なのになぜ?と思われる方がいらっしゃるのではないでしょうか?

 ダシが出るか出ないかの違いは、コンブが生きているか死んでいるかによります。コンブの旨味成分は「グルタミン酸」などのアミノ酸になります。このアミノ酸は、コンブが生存するために必要な成分になり、コンブが生きている時はコンブの細胞によって体内に閉じ込められ外に出ない仕組みになっています。ダシを出すためには太陽光にあててコンブの細胞を死滅させて細胞を破壊する必要があるので、収穫したての生きているコンブからダシはでません。コンブでダシを取る場合、鮮度が命とはならないようです。


写真-2 海中のホソメコンブ(弊社撮影)

 

 弊社では、このような海洋や地球環境の「なぜ?」を調べます。地球環境に疑問をお持ちのお客様は是非、お問い合わせください。

 

【参考】

海の水はなぜしょっぱい?では、土星の衛星「エンセラダス」の海の水の味は!?:JAMSTEC BASE
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/shin-chishiki-20230908/

よくある質問と回答:第5管区海上保安本部https://www.kaiho.mlit.go.jp/05kanku/contents/news/archives/cat290/2010-07-09-1324-post-58.html

海水がしょっぱい理由を子供にわかりやすく説明するには?:MAMA’S HORIC
https://mamashoric.com/kaisuishoppai/

昆布のダシが海の中では出ないのはなぜ?:TBS 雑学
https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=4351

なぜ昆布は海の中でだしが出ないのか?その理由は「太陽光」にある!:ととクル
https://totocle.com/konbu-dashi/

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