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エコニュースVol.039

1996年09月01日

レジャーシリーズ Part3・漁港の将来像

時が港を変えていく

株式会社エコニクス
 顧問 北村 章二郎

 ニシンは大正末期から凶漁が続き、以来、漁業は大きく移り変わり、イワシ、サバ、ホッケ漁へと魚種が変わり、漁船も川崎船から動力船へと変わって来ました。ニシンが姿を見せなくなると、これまでニシン漁に従事していた多くの漁民が動力船を購入して漁業を始めた為、漁船数が多くなり、漁船を安全に繁留したり、漁獲物を荷揚げする漁港の必要性が急がれてきました。

 明治の後期から全道的に漁業会が設立されるようになり、漁港の修築、整備に拍車がかかりました。そして、漁業も時代の変遷で大きく移り変わり、漁港は年を追う毎に国費や道費などで整備され、昭和26年からスタートした港整備第1次計画から第9次計画の時代になった現在の平成8年では、45年も経ったことになります。

 利用者にとって「漁港は漁業の生産基地」が基本でありますが、はじめは利用者の意見を充分踏まえて計画したつもりでも完成時には静穏域が満たされていなかったり、荷揚げ等で不便な点があったりすると、計画時点での慎重さが重要であると痛感させられます。また、既に利用している漁港の場合でも、潮通しや潮はけ、または深層水の導入等を考慮して静穏環境を増養殖場に活用できるよう、これからの「養殖漁港」という位置付けも急がなければなりません。

 そして、この養殖漁港は、単に漁獲の便利さだけでなく、海藻から魚など、いろいろな生き物が生息できる水族館になるかも知れません。また、漁業と観光との共存を図り、お互いの資源を最大限利用して、例えば北海道の産業考古学上、貴重な構造物である袋などの歴史を生かした釣り公園や海水浴場など、地元漁業の文化を伝えるような豊かな漁港づくりも大切な『まちおこし』になるように思われます。

 

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