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エコニュースVol.184

2008年10月01日

<化学分析シリーズ Part1・温泉 その1>

温泉

株式会社エコニクス
環境事業部 環境分析チーム 鹿糠 幸雄

 日本には各地に数多くの温泉があり、卵の腐った様なにおいのする硫黄泉、茶褐色で保湿効果の高い含鉄泉などその種類もさまざまです。利用形態、入浴法なども数多くあり、古くは日本書紀にも温泉に関する記述が見られるなど、私たちがいかに温泉を利用してきたかがわかります。
 また、温泉といえば郊外の観光地というイメージがありましたが、最近の温泉ブームにより都心部でもスパリゾートなどの施設が多く見受けられる様になってきました。
そもそも温泉とは、どういったものなのでしょう?
 日本では温泉法が施行され、法律で温泉の掘削、利用方法などが定められその保護がなされています。この法律の中で温泉とは、「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、温度又は一定量以上の特定の物質を含むものをいう。」と定義されており、必ずしも水の温度が高くなくても定義を満していれば温泉とされます。
 さて、私たちはこの温泉法に基づき、湧出する水が温泉といえるかを判断する温泉小分析、温泉の水質(成分)を明らかにするための温泉中分析、あるいは飲用に適しているかの飲泉分析などについて、「鉱泉分析法指針」に従い化学分析を行っています。この分析法は、ちょっと特殊な分析方法が採用されており、機械による分析が一般的になりつつあるこの業界にあって、化学反応による着色による分析(比色分析)が基本となっており、熟練を要する作業(一種の職人芸?)が盛りだくさんです。でも、昔ながらの分析法を採用している背景には、ちゃんとした理由があるので精度、感度についてはご安心を・・・。
 温泉法の成分については、温泉分析書として施設に掲示されていますので、温泉を利用されるときには探してみてください。分析者の欄に見慣れた名前が見つかるかもしれません。仕事に精をだして、たまには温泉でのんびり・・・、いいですね!

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