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エコニュースVol.203

2010年05月01日

<海環境シリーズ Part6>

GPSと海図で目的地へ楽々

株式会社エコニクス
環境事業部 水域環境チーム 竹田 尚弘

 普段、私達が陸上で使用している地図には、道路地図や住宅地図、国土地理院の地形図など、目的に合わせた多種多様な地図がありますが、海上で使用される地図にも色々な種類があり、有名な物としては【海図】というものがあります。
 もちろん、海の上にはコンビニやガソリンスタンド、道路などはありませんので、海図に記されている内容は海の深さや底質の状況、陸上の道路に該当する航路などの情報です。
 世界的にみると海図は、13世紀頃に地中海一帯の航海に使用されていた「ボルトラノ海図」と呼ばれるものが起源と言われています。
 一方、日本における海図は日本海軍が明治5年に刊行した物が第1号と言われています。
 当時、海の深さを測るには「レッド測深」(錘測)と呼ばれる方法が用いられていました。
 この方法は、船舶を停船させロープやワイヤーに錘をつけて海底まで下ろし、その長さで水深を計測すると言った作業でしたので、深い海を計る場合は大変だったと思います。
 また、深さが分かっても位置が分からないと地図に書き込むことは出来ませんので、位置の観測も必要になります。位置の観測は、星や陸上の目印(山など)の角度を計測し、三角測量により自船の位置を求めていました。星や山を観測すると言うとロマンチックに感じますが、天候が悪いと観測が出来ないなど、色々と苦労が多かったことと思います。
 このように諸先輩方が大変苦労して行っていた作業が、音波や電波、人工衛星が利用可能となった現代では、随分と簡単に、またより正確な計測が可能となりました。
 現代では、音波を利用し水深を計測しますが、その探査範囲も点から線へ、線から面へと、より多くの情報を得ることが可能となり、最新の【マルチビーム測深機】と呼ばれる機器を使用すると、写真撮影をしたかのような海底地形図を作成することが可能となりました。


図 マルチビームを使って作成した海底地形図(弊社作成)
※水深10m前後の砂質海底にブロックが敷き詰められています。
また砂漣も再現されています。砂漣とは、海底の砂が波の影響を受け、波の形状になることです。

 諸外国を行き来する、大型客船やタンカーなどには比較的早くに、GPS(Global Positioning System)や電子海図などが装備されていましたが、近年では沿岸で操業する小型の漁船の大半にもGPSなどの電子機器が装備されています。
 ここで、GPSが搭載された船舶では、道路が無い海ならではのスゴ技があります。
出港前にGPSに目的地をセットしておくと、後は舵が右へ左へと勝手に動き船長は何もすることなく目的地まで連れて行ってくれます。
 私たちが調査を行う際は、地元の漁船をチャーターしますが、最新の電子機器を導入した漁船に遭遇すると、ねじりハチマキをした強面の船長が、まるで玩具を与えられた子供のように嬉しそうな顔をし、自慢げに色々と機器の説明をしてくれます。
 この、船長の自慢話しを聞くことも調査を円滑に進めるために必要なテクニックの一つかもしれません。

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