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エコニュースVol.221

2011年11月01日

<海の生物シリーズ Part20>

デジタル画像でサイズ測定

株式会社エコニクス
環境事業部 武田康孝

 生物調査では、その調査の対象生物の色々な部位のサイズ(ここでは長さとします)を測定し、サイズ組成や経時的なサイズ変化、あるいはサイズ間での相関などを取りまとめることは多いことと思います。
 では、これらのサイズはどのような道具を使用して測っているのでしょうか?その対象生物がある程度のサイズ(例えば1cm以上)があれば良いですが、もっと小さな生物、例えば顕微鏡を必要とする生物のサイズはどうやって測定するのでしょうか?
顕微鏡を使用する場合、以前は接眼ミクロメータと対物ミクロメータを用いて測定を行っていました。しかしながら、この作業は顕微鏡を覗きながら1つ1つの個体を測定する作業ですので作業自体の労力や目に対する負担が掛かりました。
 そこで、今回ご紹介するのが現在、弊社で使用しています画像システムを用いた測定方法になります。この測定方法の原理は基本的に顕微鏡下でミクロメータを使用するのと同じになります。大きく異なるのは、作業者が顕微鏡を覗きながら1つ1つ目盛りを読んで測定するのか、あるいはPCのモニタ上でデジタル画像を用いて測定するのかということになります。大まかな測定作業の流れは以下のようになります。

①まず、測定したい生物の写真を撮影します。弊社では写真を撮影する際に、生物のサイズに合わせてデジタルマイクロスコープや一眼レフを用いた顕微鏡用デジタルカメラシステムを使い分けています。

 この写真はカイアシ類の一種であるPseudocalanus newmaniという動物プランクトンになります。
②次に、測定ソフト上で画像上のスケールの基準(校正値)設定をします。この設定をしないとせっかく測定しても全く違ったサイズに換算されてしまいます。この画像では、背景に写っている計数板の1目盛りが0.5mm(500μm)ですので、画像上でこの1目盛りの長さを0.5mmと登録します。
③ここまで出来たら準備はOKです。あとはこのソフト上で、測定する部位の二点間距離を測定します。測定を行うと画像上にサイズが表示されます。測定した結果を表示した画像も保存出来ます。以下の例では、カイアシ類の頭胸長を1/1,000mm(1μm)単位で測定しました。

④測定したデータは、ソフト上で表形式として整理され、このデータはテキスト形式で保存できます。以前のような数値の記入や入力の作業がないため、その作業に伴うミスがなくなりました。

  そして、保存したデータを用いて、必要な作図や作表を行うこととなります。
いかがでしょうか。測定作業に関してはまだまだアナログ(手動)仕様ではありますが、以前と比較したら1枚の画像で複数個体の測定が同時に可能であり、また、目盛りを読み取って換算する労力がかからないので、飛躍的に作業効率が向上しました。この測定作業そのものが自動化出来れば、更に作業がはかどるだろうなと思う今日この頃です(既にそのようなソフトも開発されているようですが‥‥)。
 もし、プランクトンや底生生物などのサイズ測定に関して何かご要望やお困りのことがございましたら、お気軽に弊社にご相談ください。

※余談になりますが、生物の分析をしていると、色々な生物に出会う機会があります。以下の写真をご覧になって、何かおかしなところに気付きませんか?この種はモミジガイ(ガイと付いていますが、貝の仲間ではありません)というヒトデの一種ですが、お気付きのとおり、腕が4本(腕)しかありません。腕が切れた個体かとも思ってよく見ましたが、どうも違うようです。変異と考えられますが、どうしてこのような形態になってしまったのでしょうか?

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