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エコニュースVol.343

2022年01月01日

『明けましておめでとうございます』

株式会社エコニクス 電力環境部 泊発電所担当チーム 納谷 琢馬

  新年明けましておめでとうございます。

 新型コロナウイルス感染症の流行が収まらないなか、皆様もいろいろなご苦労をされているかと思います。  寒さがやわらいでいくとともにコロナが収束することを願いつつ、本年が皆様にとってより健やかで実り多い年で有りますよう心よりお祈り申し上げます。

 2022年の干支であるトラはアジア大陸に分布するネコ科最大の動物で、ベンガルトラ、シベリアトラ、ジャワトラなどの9亜種が知られています。

 日本には生息していないものの、勇ましく猛々しいトラはアジア圏では古くから力や尊厳の象徴とされ、覇者の風格を示す意匠として屏風、襖絵、武具など工芸にも取り入れられました。  20世紀初めは10万頭が生息していたとされるトラも、毛皮や漢方薬として重宝される骨を狙った密猟や森林開発による生息地の消失等により、今では約4,000頭にまで減少したと見られています。このうちジャワトラなどの3亜種は絶滅したとも言われ、それ以外の6亜種については国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストの絶滅危惧種に分類されています。  一般的なトラは黄色や黄褐色に黒色の縞模様をしています。その中でトラ全体の大半を占めるベンガルトラには白化個体、通称ホワイトタイガーと呼ばれる白変種が存在します。白変種とは氷河期時代を生き抜いた動物の子孫であり、体が白くなる遺伝子を受け継いでいる個体です。かつては有利とされていた白い体も、現在では、反対に目立ってしまうので稀に誕生するものと言われています。  野生におけるホワイトタイガーは、1951年にインドで捕獲されたのを最後に発見されていません。現在、ホワイトタイガーは飼育下でしか見られず、全世界で約250頭、そのうちの30頭が日本で飼育されています。  このように、ホワイトタイガーは希少な存在であることから、生息地のインドでは姿を見ると幸せを呼ぶと言われています。また、日本や中国では伝説上の神獣である四神の1つ『白虎』として神聖視されています。

 ところで、ホワイトタイガーのように姿を見ると幸せを呼ぶと言われる生物が海にも存在します。それは『ナマコ』です。本来ナマコは黒っぽい色をしていますが、突然変異で先天的に色素を欠くアルビノ個体、すなわち白いナマコがごく稀に存在します。白いナマコは10万匹に1匹しか現れないとされ、その珍しさから『幸運のナマコ』と呼ばれています。

写真 白いナマコ (画像提供:神恵内村)

 近年、ナマコの需要が高まるにつれ価格も上昇し、漁獲量の増加と密漁被害が後を絶たず、ナマコ資源の枯渇が懸念されるようになりました。このようなことから、ナマコ漁を行う地域の漁業関係者は、密漁パトロールの強化、漁期の設定、人工種苗生産による資源回復等を行っているのが現状です。  弊社では、数年前から地域が主体となって実施する「簡易採苗・短期飼育によるナマコ種苗生産技術についての支援」も行っており、支援先の漁業関係者から、「放流場所で大小様々なサイズのナマコが見られるようになった」とのコメントも聞こえるようになってきました。  目に見える形で効果を実感して頂けたことは、資源回復に向けた大きな一歩と捉えています。今年もエコニクスは誠実さをもって社会の状況を寛容に受け入れ、その上で我々の知識を洗練し、地域の皆様に幸運をお届けする企業として邁進してまいります。

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