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エコニュースVol.318

2019年12月01日

作業環境測定で定められた有害物質

株式会社エコニクス 環境事業部
技術向上担当 舟木 由衣

(作業環境測定士)

 労働安全衛生法 第65条第1項では、「事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。」と定めており、作業環境測定を行うべき作業場のうち、作業環境測定士が測定を実施する必要がある指定作業場は、①粉じん、②放射線、③特定化学物質、④鉛、⑤有機溶剤を取り扱う5種類の作業場となっております。弊社では、そのうち③特定化学物質④鉛⑤有機溶剤について作業環境測定機関として登録を行っており、日々皆様の作業場の測定を実施しています。

※作業環境測定を行うべき作業場とは「粉じんを著しく発散する屋内作業場」「暑熱・寒冷、多湿屋内作業場」「著しい騒音を発する屋内作業場」「坑内の作業場」「空気調和設備や機械換気設備を設けている事務所」「放射線業務を扱う作業場」「特定化学物質を製造または取り扱う屋内作業場」「一定の鉛業務を扱う屋内作業場」「酸素欠乏危険場所において作業を行う場合の当該作業場」「有機溶剤を製造または取り扱う屋内作業場」の10種類です

 

 測定の対象となる有害物質について、お客様によっては特殊な物質を使用していることがあり、取り扱いに関する情報が不足している場合があります。また作業者の方から使用上の注意事項について意見を求められることもあります。今回は、有機溶剤と特定化学物質の一般的な特徴と使用上のポイントについて簡単にご紹介したいと思います。

 

≪有機溶剤≫
 有機溶剤中毒予防規則に規定…トルエン、アセトンなど

○特徴
・塗装、洗浄、印刷などの作業に幅広く使用されている
・揮発性の高いものが多く、蒸気が発生する⇒呼吸器から吸収される
・様々な物質を溶かす性質がある⇒脂質も溶かすので皮膚からも吸収される

○中毒症状
・高濃度の蒸気により急性中毒(頭痛、めまい、嘔吐など)を起こす
・低濃度でも長期に渡って暴露されると慢性中毒(腎臓、肝臓、造血器で障害)を起こす

★使用上のポイント★
◎通気が重要!
・有機溶剤中毒の多くは換気不十分な場所で発生
・急性中毒を防ぐため、高濃度の蒸気だまりを発生させないよう環境を整える
(火災発生の要因ともなりうる)

◎環境の変化に注意!
・室温が高くなると有機溶剤の蒸発量が増える
・作業者の力仕事が増えると呼吸が増え、吸収量が増える
・普段と異なる状況で使用する場合は、保護具を装着する

 

 

≪特定化学物質≫
 特定化学物質障害予防規則に規定…金属類、ホルムアルデヒドなど

○特徴
・発がん性物質(特別管理物質)など発症までに長い時間がかかるものが含まれる
・このため特別管理物質は健康診断や作業環境測定の記録を30年間保管する

○障害
・がん、皮膚炎、神経障害(しびれ、痛み、感覚が鈍くなる)など

★使用上のポイント★
◎有害物質との接触を減らす!
・発散源を密閉する、局所排気装置を使用するなど接触機会を減らす

◎漏洩を防止する!
・保管容器の転倒や破損、設備異常、誤操作による漏洩により被災する場合が多い
・作業手順を定め、漏洩を防ぐ対策が重要

 

 少し古い情報ですが、平成18年版の作業環境測定ガイドブックによると、日本で生産される化学物質は55,000種類(毎年500種類が新たに追加)であり、有害性の通知が必要な物質(安全データシート[SDS]が発行される物質)は638種類とのことです。作業環境測定が必要となるのはこれらの化学物質のうち約100物質に留まりますが、作業環境測定を必要としない化学物質でも、取り扱いを誤ると重大な災害を引き起こす可能性があります。有害物質を取り扱う作業場では、今一度安全データシート[SDS]などを確認し、より安全に作業を行うようお願い致します。

 

 

<参考資料>
作業環境測定ガイドブック[0]総論編(社団法人日本作業環境測定協会編)
新訂作業環境測定のための労働衛生の知識(社団法人日本作業環境測定協会編)
労働衛生のしおり(中央労働災害防止協会編)

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