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エコニュースVol.269

2015年11月01日

<コンブシリーズ Part5>

知ってますか?コンブの事

株式会社エコニクス 環境事業部
西川 明豪

 海に揺らめくコンブ。煮物、出汁やおでんなど、日本食には欠かせない食材として日本人には親しまれていますが、皆さんはこのコンブについてご存知でしょうか?
 

・コンブってどんな海藻

 コンブについての知識は、人によりかなりの差があると思います。「コンブって海藻なの?」という方もいらっしゃるかもしれません。コンブは不等毛植物門・褐藻綱・コンブ目に属する藻類で、光合成を行って生長します。当然、光が届かないような深海では生長できず、沿岸の水深の浅い場所、多くは水深20m以浅の場所に分布しています。また、コンブは岩盤やコンクリートなどに仮根部を活着させて、波や流れによって流されないようにしています。生長に必要な栄養分は、陸上の植物のように根から吸収するのではなく、葉の表面全体で海水中に溶け込んでいる栄養塩類を吸収します。いわゆる「昆布」として利用されているのはこの葉の部分で、陸揚げされたコンブを常温保存できるように乾燥させます。この乾燥から製品として箱詰めし、出荷するまで60もの工程があるといわれています。


北海道のコンブ藻場

 

・北海道のコンブ

 日本には37種、そのうち北海道には28種のコンブ類が分布しています。日本のコンブ生産量は、平成24年で約7.3万トン、そのうち約6.8万トン(約93%)が北海道産で占められています。北海道産コンブが和食文化の一部を下支えしていると言っても過言ではないでしょう。北海道沿岸域の岩礁地帯においては、従来はコンブ藻場(コンブが優占して繁茂する場所)が形成され、沿岸環境を良好な状態に保ってきました。その分布域は、海流の流路との関連が見て取れます。種によって分布域が異なりますが、主に漁獲されるコンブは道南のマコンブ、道北のリシリコンブ、道東のオニコンブ・ナガコンブ、日高地方沿岸のミツイシコンブといった種類です。一方、日本海南部の磯焼け地帯に分布し、日本海を北上する対馬暖流の流路に分布しているコンブはホソメコンブで、コンブ属の中でも小型であるため、あまり漁獲対象にはなっていませんでした。このため、ホソメコンブの漁獲量と磯焼けの関係が直接的に語られることはありませんでした。
 

・磯焼けの進行とコンブ藻場の減少

 近年、磯焼け(海藻が繁茂しなくなる現象)の進行により、全国的に藻場(海藻が繁茂する場所)が減少してきています。北海道では、後志総合振興局と檜山振興局管内の日本海沿岸で特に深刻な状況となってきています。藻場が果たす役割は①水質環境改善②CO2固定③魚類の産卵・育苗場提供④海岸線保全⑤波浪軽減等々があり、漁業にとっては重要なものばかりです。言い換えれば、藻場が漁場環境を良好に保ち、その海域の漁業生産力を縁の下で支える役割を担っています。磯根の水産資源を増やすためには、主に種苗放流などの手法が取られがちですが、そもそもその種苗が生育できる環境が無ければ育つはずもありません。
 

・藻場の保全とコンブの継続的利用

 磯焼けは、海の砂漠化ともいわれています。磯焼けにより、漁場の生産力が低下し、水産資源が減少し、漁業が衰退していくという悪循環が起こっています。北海道の漁業は、その豊かさ故に「採る漁業」が大半を占め、「作り育てる漁業」がまだ多くはありません。水産資源を育てるのは海の環境であり、その基礎生産力を支える藻場の役割は今後その重要度が増してくると考えます。特に北海道はコンブ藻場が重要で、コンブ藻場の保全とその継続的利用については、漁業関係者が真剣に考え、取り組んでいくべき課題であると考えます。海洋環境は一定ではないため、変化していく環境に対応していくために、まずは環境の変化を知ることが重要です。水温の変化にしても、継続的に同じ場所で測定していなければ、今年の夏の水温は高かったのか低かったのか、確認することができません。今年コンブが豊漁だった場所が、来年磯焼けになってコンブが採れないという事も起こり得るのです。
 

 水産資源を下支えする藻場、特に北海道では豊かに広がっていたコンブ藻場を守り、そして磯焼けになってしまった漁場に藻場を再生する、このような活動を推進していくことで、漁業の将来も明るいものになっていくと確信し、弊社では、このような活動を積極的にサポートしています。

 これからもおいしい魚介類を食べていくために、皆さんもっとコンブに関心を持ち、漁業の未来を明るく照らしていきましょう!

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