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エコニュースVol.265

2015年07月01日

<海環境シリーズ Part15>

海藻「アカモク」

株式会社エコニクス 環境事業部
泊担当チーム 渡部 大気


 
アカモク

 「アカモク」(褐藻網ヒバマタ目ホンダワラ科)は、北海道東部と南西諸島を除く日本各地に生息する海藻です。全長2m以上と長く、気泡を持っているため、水中では直立しています。私個人の意見では、おいしそう!!と思うような見た目ではありませんが、新潟県佐渡市等の一部の地域では「ギバサ」、「ナガモ」と呼び、昔から日常的に食べられているそうです。湯がくと鮮やかな緑色になり、包丁でたたくと納豆以上の粘り気が出て、これにポン酢をかけてそのまま、納豆のように白米の上にのせる、また、とろろのようにソバのつゆに入れて食べる等、さまざまな食べ方があるようです。
このように、一部の地域では好んで食べられている「アカモク」ですが、全国的にみると食用として利用している地域は多くありません。

 しかし、近年、「アカモク」にフコイダン、フコキサンチンという物質が含まれていると分かり、注目されるようになりました。このフコイダン、フコキサンチンには、免疫機能の活性、ガン予防、脂肪燃焼、抗酸化作用があるという研究の成果が発表され、テレビ番組などに取り上げられています。現在では、「アカモク」を食用やサプリメントの原料として利用する地域が増えており、一部の地域でのみ利用されてきたマイナーな食材から、日本各地で利用されるメジャーな食材へと変わりつつあります。
北海道においても「アカモク」の利用が進み、コンブやワカメに並ぶ食用の海藻として我々の食卓に上がる日も近いでしょう。
 ネバネバ成分を豊富に持ち、夏バテの季節にピッタリの「アカモク」。見かけた際は、ぜひ手に取ってみて下さい。

【参考文献】
一般社団法人海洋環境創生機構.『平成25年度緑と水の環境技術革命プロジェクト事業』
秋元恒基・松井繁明・中本崇・濱田弘之.『アカモク Sargassum horneri の増殖試験』

 

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