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エコニュースVol.154

2006年04月01日

農業シリーズ Part1

農業の身近な多面的機能

株式会社エコニクス 
 環境事業部 調査・計画チーム 佐藤 準(ひとし)

 数年前に、農林水産大臣の諮問に対して、日本学術会議から農業の多面的機能についての答申が発表されました(平成13年11月)。

 答申では右記のような機能を農業の多面的機能として、提示しています。それを受けて農林水産省は農業・農村の多面的機能の発揮について取り組んでおります。

 
農水省HP:21世紀への提言(農業・農村の多面的機能を見直そう)

 とは言え、個々人として直感的になかなかわからないと思うのです。そこで、私達が行っている野菜の栽培試験の中で、私が「これが多面的機能の一つ」だろうなと感じた場面をご紹介します。

 とある無農薬栽培を行っている農園で、ホウレンソウ、ブロッコリーなどをおよそ半年間栽培し、耕運を除いて8.5aの試験圃場の施肥、畝作り、播種、除草、収穫などの作業を全て人手で行いました。何しろ、無農薬栽培なので、海を恋しく思う初夏の頃には、3日も経つと作物の丈を追越して雑草がグングンと伸びます。「畝作り後、翌週に播種する」などと予定すると、何時の間にやら雑草栽培試験になってしまいます。この栽培試験で、多面的機能の一つ「有機性廃棄物分解」(機能)(雑草が分解される)について身をもって発見することになりました。が、一番の発見は、炎天下に除草・畝作り・播種作業が終わった後に、ふと気づいたら、頭上十数メートルあたりで小鳥がホバリングしながらさえずっていたこと、100mあたり離れたところにも。「都市的緊張の緩和」(機能)の瞬間でした。

 この様に自らが体験・体感することで、理解を深めれるものが沢山あるということ、そのフィールドから得たものを皆様へしっかりお伝えできればと思います。

 
生物生態系保全機能
(収穫調査の朝見つけたアマガエル君と青虫君)

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