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エコニュースVol.244

2013年10月01日

<東北シリーズ Part3>

三陸海岸のふ化放流事業~さけ捕獲施設~

株式会社エコニクス
環境企画部 復興推進チーム 松本 光司

 三陸海岸は、日本有数のリアス式海岸で青森県から岩手県を挟み宮城県に至るまで、総延長は600kmを超えます。中でもリアス式の内湾では、こんぶ、わかめ、のり、ほたて、かき、ほや、なまこなど、養殖漁業が盛んなことで全国的にも有名ですが、忘れてはいけないのが、沿岸各地のそれぞれの河川を生まれ故郷とする「さけ」の名産地でもあります。さけは古くから増殖事業が盛んであり、三陸沿岸でもいくつもの「さけふ化場」が存在し、ふ化放流事業が行われてきましたが、その多くは津波の被災を受けました。最近になってようやくではありますがふ化場復旧のニュースが多く聞こえるようになってきました。

 さけふ化放流事業はこれまでの経験から技術的にもほぼ確立されたものがありますが、その前段に位置する「さけ捕獲施設」については、河川に遡上してくるさけを捕獲することは共通ですが、河川環境や各地の事情、経験を踏まえて、実に様々な方法が存在します。

 三陸沿岸の河川は、水深は比較的浅いものの、河口付近だと川幅が50mを超えるところもあり、河口から1km程度くらいの距離だと水深も潮の干満の影響を大きくうけます。特に干潮時と満潮時の差は大きい時で約1m程度になることもあります。また、10月末から11月にかけては台風などによる大雨によって突発的な河川の増水が毎年必ず数回あり、これまでは、これらの増水によって捕獲施設が流亡したり、上流から流れてくる流木その他のゴミによって捕獲施設が機能しなくなることもあり、解決が難しい問題でした。

 写真の捕獲施設は、下部構造として河床に埋設されたコンクリート基礎ブロックと、鋼製の捕獲施設を上部構造とすることで、上部と下部に構造的に分離できる捕獲施設になっています。これによって、捕獲時期以外は下部のコンクリート基礎ブロックを残して撤去することができるので、河川の流れを阻害する心配がありませんし、組み立て式の部材からなる構造で維持管理も比較的簡単になりました。また、さけの遡上を阻み、捕獲かごへ誘導するための柵は、従来の縦柵から横柵にすることで、上流から流下してくる目詰りを防止しています。ここで捕獲採卵されふ化放流されたさけが、大きく育って再び戻ってくることが、被災地の復興につながることを願っています。

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