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エコニュースVol.007

1994年01月01日

コンブシリーズ Part2・コンブの製品と人工栽培

海の畑にコンブが茂る。

株式会社エコニクス
 顧問 駒木 成

 コンブのここ100年の全道平均生産量(干し上がりのトン数)は3万1,038トン、しかし昭和21年以降の40年間では2万7,220トンと減少しています。この中で最も多く生産されている銘柄は、主に道東沿岸に分布しているナガコンブで、釧路・根室両支庁の生産量合計は年平均1万5,480トンと全体の約半分を占めています。北海道の昆布干製品には、定められた結束の仕方や規格があり、これらは種類と産地によって異なりますが、およそ元揃え昆布・折昆布・長切昆布・棒昆布・雑昆布の5種類。最も値段が高く贈答品として広く重宝される元揃え昆布・折昆布には、マコンブ・羅臼コンブ(オニコンブ)あるいはリシリコンブなどが用いられ、調味材料や健康食品として家庭の食膳に上がることが多い長切昆布には、リシリコンブ・ミツイシコンブ・ナガコンブ・ガッガラコンブ・ホソメコンブなどが多いようです。なお、ホソメコンブは対馬暖流水に最も影響されやすい日本海側の沿岸に広く成育していますが、その商品価値は低いため、最近はアワビやウニ増産に向けて、これらの餌料向けに使用する場合が多くなってきました。昆布干製品の価格や荷姿はコンブの種類によって違い、また、同じ種類のコンブでも、品質、規格により価格の差が生ずるため、品質の良いコンブの量産は重要な課題となっています。その一つの方向として、陸上の水槽で人工的に採苗し、ある程度成長した種苗を外海で養殖するという、栽培漁業の技術が進歩してきました。このような種苗生産技術は、長谷川博士らが開発したマコンブの促成栽培の成功がきっかけとなり、その後、リシリコンブ・オニコンブ・ミツイシコンブなどに対しても、人工採苗による養殖が普及するようになりました。マコンブ、リシリコンブなどの高級品向けの養殖コンブの生産は、昭和46年の134トンから昭和60年の5,807トンと実に43倍に増加しており、その養殖技術の急速な発展ぶりがうかがえます。

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