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エコニュースVol.023

1995年05月01日

深層水シリーズ Part2・水産分野の深層水利用

サカナも喜ぶ深層水。

株式会社エコニクス
 取締役顧問 川村 一廣

 深層水利用技術開発研究が本格化したのは、アメリカでは1970年代、日本では1980年代です。日本の深層水の研究施設としては、高知県海洋深層水研究所(1989)、富山県水産試験場海洋深層水研究施設(1995)がありますが、まだ非常に若い技術分野です。これまで開発されてきたり、今後開発可能と考えられる主な技術分野を紹介します。今回は、水産分野にスッポトをあてて解説します。

 養殖技術としては、冷水性水族でギンザケ、タイセイヨウサケ、マコンブ、ジャイアントケルプなど、深海性水族でメダイ、アカサンゴなど、暖海種でもヒラメ、カキ、アワビ、ロブスター、アマノリ、オゴノリ、ワカメ、ヒロメ、ヒジキなどの育成が実証されています。

 栽培漁業技術としては、種苗生産用の餌料植物プランクトンの海産クロレラ、浮遊珪藻類などが、栄養塩の添加なしに培養できます。また、表層水との混合による水温制御によって親魚(貝)の成熟・産卵コントロール、清浄性を活用しての健全な稚仔の育成などにも有効といわれています。

 ハワイでは、低温・清浄な深層水で数千尾のサケを養殖し、その水槽でジャイアントケルプを栽培し、それでアワジやウニを育成というように、深層水を効率よく活用する手法も開発されています。

 ベータカロチン、ビタミンB12、フィコビリプロテイン、EPAなどの有用物質の含有量の多いスピルディナやドナリエナなどの微細藻類を深層水で培養し、有用物質を抽出精製する技術も開発されています。

 深層水を表層に引き上げ、海域を肥沃化する手法としては、人工的な湧昇流を発生させる海中構造物の造成と、取水管によって深層水を汲み上げ散布する方法が検討されています。

 
 

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