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エコニュースVol.173

2007年11月01日

<海の生物シリーズ Part7・エチゼンクラゲ その1>

あの大型クラゲが北海道にも?

株式会社エコニクス
環境事業部 水域環境チーム 安達 大

 エチゼンクラゲ Nemopilema nomurai (Kishinouye) の名前の由来は、1920年、福井県の高浜町地先に敷設された大型定置網で採集されたものを東京帝国大学農科大学の岸上謙吉博士が新種のクラゲとして紹介しました。和名は採集された越前地方(福井県の東部)に由来したものです。
 生まれ故郷は、中国本土と朝鮮半島に囲まれた渤海、黄海、北部東シナ海の沿岸部にあるといわれています。日本海を北上し、津軽海峡を通過して太平洋沿岸へ抜けたクラゲは房総半島まで南下し、冬の訪れと共に弱って死んでいきます。
テレビ等などで盛んに報道されているように、エチゼンクラゲは日本海で近年大発生が確認され、魚網に入り込んで被害をもたらすなど、厄介もの扱いされています。


エチゼンクラゲ

 大発生は、1920年、1958年、95年、2002年、2003年、2005年、2006年に日本海沿岸で確認されています。かつては40年くらいの周期で起こっていましたが、近年その間隔は短くなっているようです。
 北海道水産林務部水産振興課ホームページで公開されている『大型クラゲ目撃情報』を見ると、北海道でもエチゼンクラゲが来遊していることがわかります。日本海側で多く確認され、津軽海峡を越えて噴火湾まで到達する個体もいるようで、定置網に入り込むなどの被害があったようです。


北海道図

 自然界でのエチゼンクラゲのポリプ(付着期幼生)の生息場所はまだはっきりしていませんが、同じような生活史を持つミズクラゲ類などのポリプはコンクリート護岸や浮桟橋などの人工構造物によく付着します。ミズクラゲの増加原因として、捕食者である魚類資源の乱獲、温暖化、富栄養化などによるプランクトン食物連鎖構造の変化などが考えられています。


生態

 最近水族館などでクラゲ鑑賞がはやっておりますが、北海道のきれいな海がエチゼンクラゲで埋め尽くされるなんて、考えただけでぞっとしますね。

■参考文献
エチゼンクラゲの来襲(青山善一、2004)
エチゼンクラゲの大発生:海の豊かさの喪失(広島大学海洋生態系評価論研究室)
エチゼンクラゲの大発生の謎を追う(上真一、2007)
北海道水産林務部、水産振興課 大型クラゲの目撃情報
海洋情報センター 大型クラゲの出現状況
京都府立海洋センター エチゼンクラゲ対策・急潮対策

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