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エコニュースVol.044

1997年02月01日

ヤリイカシリーズ Part2

ヤリイカが増えるよい条件

株式会社エコニクス
 常務取締役 佐々木 達

 ヤリイカの卵嚢の長さは6~8cmで、一つの卵嚢には、長経2.4~3.1mm、短経1.7~2.2mmの楕円形の卵が30~50個入っています。北海道ではほぼ同時期に、近縁種であるジンドウイカが同じ様な場所に産卵します。一つの卵嚢中の卵数がジンドウイカでは60~70個とヤリイカよりも多いことを除き、卵嚢の形態などから両者を区別することは非常に難しいのが現況です。ふ化には水温10.2~19.8℃で36~57日を要し、水温が5℃以下だと発育が進まず死亡します。外套長が約3mmになるとふ化し、浮上して遊泳するようになります。

 ヤリイカには平衡石があり、これに木の年輪のような成長輪(日周輪)が1日1本形成されることが最近分かってきました。この平衡石を使い成長をみてみますと、ふ化後3ヵ月で外套長は平均3cm、1年で雄が33cm、雌で23cmに達し、寿命はほぼ満1年で、成熟の進んだイカから交接、産卵を始め、死んでいくものと考えられています。一般的には、春季に沿岸で産まれた稚イカは夏にかけ沖合いの深みへ移動し、秋の間、水深100~200mの大陸棚周辺で生活し成長します。その後、春に産卵のため水深5~40mの沿岸の岩礁域に移動します。ヤリイカは、静穏な海域の水深数mから40m位の岩礁地帯の潮通しの良い岩棚の天井部にゼラチン質でできた卵嚢を産み付けるのが一般的ですが、定置網等の魚網や海藻、時には海底の砂地に産卵することもあります。

 北海道におけるヤリイカの回遊については、渡島西部地区水産技術普及指導所が昭和59、62年に松前沿岸で行った標識放流調査から、来遊接岸は南から始まり北へ移って行きますが、渡島小島へ来遊した群は島の沖側に向う群と沿岸域を移動する群の2つに分かれ、ある程度独立して存在していると考えられています。また、冬期には津軽海峡を東に進んだ例もありますが、多くは青森県西部へ南下移動していました。

最近、ヤリイカ資源が増大してきていると言われています。今まで知られているヤリイカの生態から、分布、産卵のための好条件は、ある程度の高水温、高塩分だと言われています。この事から、年によって水温変動はありますが、一般的に最近の北海道の日本海沿岸における産卵時期の水温上昇がヤリイカ産卵場の拡大、発生量の増大をもたらしたものと考えられています。

 

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