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エコニュースVol.049

1997年07月01日

陸の生き物シリーズ Part1

「焼酎一杯グイー」で自然観察しませんか?

株式会社エコニクス
 環境技術部 陸域環境グループ 米田 豊

 皆さんは「バードウォッチング」と聞いて、どう思いますか?

 「鳥を見て何が楽しいの?」と疑問に感じたり、バードウォッチングは一部の愛好家しか楽しむことができないものと思う人も多いでしょう。しかし、決してそのようなことはありません。バードウォッチングは、誰でも、どこででも、気軽に楽しむことができる素敵な趣味なのです。

 まずは、双眼鏡と図鑑を手に野山へ出かけてみましょう。初めのうちは、一人ではなかなか鳥を見付けられず、見付けたとしても種類を判別することは難しいと思います。しかし、鳥の種類がわからなくても、可愛らしい鳥たちの仕草を見ていると心が和み、それだけでも楽しいものです。また、諦めずに続けていると、やがて鳥を見付けることが上手になり、種類の判別もできるようになります。

 一方、鳥の姿を見るだけではなく、声を聞くこともバードウォッチングの楽しみの一つです。美しい「さえずり」を聞くことは勿論のこと、慣れてくると声だけで鳥の種類がわかります。このような鳥の声を、覚えやすいように言葉に置き換えたのが「ききなし」です。例えば、センダイムシクイという鳥の鳴き声は「焼酎一杯グイー」、また、フクロウの仲間のコノハズクは「仏法僧(ブッポウソウ)」と表されます。本当にそのように聞こえるのです。

 そうして、鳥を見たり声を聞いていると、今までは鳥がいても何も感じなかったのが、家の近所やどこかへ出かけた時にも、ついつい「あの鳥は何だろう?」と鳥が気掛りになり、「こんな所にこんな鳥がいたのか。」といった新たな発見もあるでしょう。また、「渡り鳥の渡来」や「さえずり」によって季節の移り変わりを感じたり、鳥たちの様々な行動を通じて「生命の不思議さ」について思いを巡らすこともあるでしょう。

 バードウォッチングの楽しみは、美しく可愛らしい鳥たちを見ることは勿論なのですが、鳥たちを通じて自然に親しみ、また、自然の様々な様相を感じることにあります。つまり、バードウォッチングは「自然と心を通わすための一つの手段」なのです。

(アカハラ,筆者撮影

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