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エコニュースVol.075

1999年09月01日

猛禽類シリーズ Part1

猛禽類に注目!

株式会社エコニクス
 環境技術部 陸域環境グループ 米田 豊

 猛禽類とは、読んで字の如く、猛々しい禽(とり)のことを指します。つまり広義には、狩りをする肉食の鳥類のことを指し、ワシやタカの仲間は無論のこと、フクロウ類等も含める場合があります。しかし、一般的にはワシやタカを指す場合が多く、これらタカ目の鳥類に的を絞って話を進めます。

 現在、我が国で確認されている猛禽類は2科29種(37種/亜種)といわれています。このうち、環境庁のレッドデータブック(日本の絶滅のおそれのある野生生物)に指定されている種は17亜種であり、我が国で確認されている猛禽類の大半を占めています。

 その理由として、多くの猛禽類が減少傾向にあると推定され、絶滅の危機に瀕している種も少なくないことがあげられます。

 ある種の猛禽類は個体数が大変に少ないうえに、外圧に対して敏感に反応することから、環境の改変等の人為的影響を非常に受けやすいのです。また、図は生態的ピラミッドを示していますが、猛禽類は食物連鎖の頂点に位置することから、環境汚染等による影響も懸念されています。

 さらに、猛禽類の生息には多くの餌となる生物が必要であることを示しています。それら餌動物が持続的に供給されていくためには、豊かな環境が必要不可欠なのですが、そのような環境は減少しつつあります。

 今後、猛禽類を保護していくためには、個々の種の保護を図ることは勿論のこと、生息地全体の多様な生態系の保全を念頭に置く必要があります。逆にいえば、猛禽類の生息が、環境が多様であり、保全状態が良好であることの一つの証になると考えられます。

*分類及び種数は猛禽類保護の進め方(特にイヌワシ、クマタカ、オオタカについて)(環境庁編 1993)によった。

 
生態系ピラミッド

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