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エコニュースVol.079

2000年01月01日

シジミシリーズ Part1・シジミの生活様式 その2

ヤマトシジミはどんな処に住んでいるのだろうか?

株式会社エコニクス
 顧問 富士 昭

 ヤマトシジミには雄と雌があり、こうした現象を雌雄異体といいます。

 産卵期間になると雌は卵を、雄は精子を生殖小嚢から出水管をへて体外に放出します。放出された卵や精子は環境水の塩分が0の真水では受精能力をなくしてしまいます。従って、マシジミやセタシジミとは違って、ヤマトシジミが正常に発育するには塩分のある水環境が必要不可欠なのです。

 受精した後の胚発生は、およそ3以上の塩分があると60~80時間で卵形の殻をもった大きさ200μmほどの口器殻項幼生となってこれまでの浮遊生活から底生生活に移ります。これ以降を稚貝と呼んでおり、この時期からは底層水と底質間隙水の影響を直接受けることになります。

 ヤマトシジミは塩分0.5~25までの極めて広い範囲の塩分変化に対して塩類を体内に取り入れて水分を排出すること、あるいはその逆のこともできるような高い浸透圧調節能力をもっています。

 これまでに、いろいろな生息域での塩分とヤマトシジミの生存率が調べられてきましたが、ヤマトシジミ生息域の塩分は地域により様々で、例えば十三湖では0.5~16.2、利根川下流域では0.1~20.6、宍道湖では1.8~7.2とされているのはこの様な生理機構を備えているからなのです。

 これまでに発表されている多くの調査結果を総合してみますと、0.5~23位の塩分範囲が浮遊幼生から底生個体に至るまでの生息可能な水域ということになります。埋在生活に移行したヤマトシジミの生息条件となる底質をいろいろな場所で調べてみますと共通した特性があります。

 1つは、高密度分布をみるのはシルト・クレイ含有率が低く、有機物量の乏しい底質に限られていることです。例えば、宍道湖では灼熱減量の14%、シルト・クレイ含有率の50%が生息限界で、好適な範囲はそれぞれ5%以下と10%以下とされており、また、小川原湖ではシルト・クレイ含有率が20%以下の湖棚が主な生息域となっております。

 2つめは、砂礫からなる底質が好適な生息条件となっていることです。ヤマトシジミは冬期間には表面から10以上の深さにまで底質中に潜入し、春から夏にかけては1~2cm位の深さにまで上方移動してきます。水管の短いヤマトシジミにとっては、呼吸と摂餌のために体に取り込む水は底質直上水ではなくて底質間隙水となりますが、直上水と間隙水の交流が容易な砂礫質がこのような条件を保証してる訳です。

 水温の変化に応じて季節的鉛直移動が容易にできるような埋在生活を可能にしているのは、粗粒子含有率の高い粒度組成から構成されている砂礫底であり、こうした底質条件がヤマトシジミ生活領域の特性となっています。

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