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エコニュースVol.100

2001年10月01日

100号記念企画

文化は環境の時代

株式会社エコニクス
代表取締役社長 橋 金作

 おかげ様で100号を迎えることができました。文化は環境の時代人間は快適な生活を求め、弥生時代の頃から文明社会の構築をはじめ、産業革命からはそれが急激に速まりました。さらに、科学文明で地球の生態系から逸脱した無機的な文明社会を構築できると考えた人間の過信が、21世紀に人類が地球生態系の崩壊に遭遇するかもしれないという危機を招きました。

 このように文明とは、厳しい自然環境と人間の社会生活との断絶を進める事でありますが、一方、文化とは各地域の気候、風土などから成り立つもので、これらの文化の連係が、地球生態系を構築していると考えます。また、各地域の歴史・産業・生活もこの文化を基本に存在していました。しかし、ここ数百年ほどの間に人間は、大都市などを中心にした画一的な無機文明を創造し、この文明が各地域の文化を抹殺し崩壊させ地域環境までも無機的なものに変形させてしまったのです。

 これからの社会は、『文化は環境である』との考えに立ち、各地域の生態環境文化を基本に産業経済を考えることが必要だと思います。特に本道産業は、農業・水産業・林業の一次産業と観光(自然)産業が、これからも優位に立てる基幹産業と位置付けられます。これらは、『感動、安らぎ、安心、安全、健康』などのキーワードをもつ生態環境文化によって成立すると考えます。

 現代社会において、生態環境文化の破壊にかかる時間は短期ですが、復元には長期にわたる時間が必要です。本道の生態環境文化は、全国的また国際的に見ても他の追随をゆるさず、長い期間優位に立てる大きな財産であります。

 今後は、官が『本道の産業の基礎ブランドは生態環境文化である』と明確に位置付けることによって、産業界がビジネス競争社会の中で、生態環境文化の付加価値を創造し特徴を出すことが、停滞している本道産業経済の活路を開くけん引役となると確信しております。

 一極集中型の画一的な文明社会ではなく、多様な環境を文化と捉える文化社会が、産業経済を生態系社会の一員として取り込み、エコロジーとエコノミーが区別されることなく共存し、地球はそれら全ての生物の家、オイコス(エコロジー、エコノミーの語源)になると考えます。
 

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