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2017年08月17日

野生の生き物を食べてみよう~ハスカップ~

 突然ですが、私には野生の生き物を採取して食べるという趣味があります。道外出身者の私としては、北海道には本州には生息していない魅力的な生き物が多く、ぜひ一度食べてみたいと思う物がたくさんあります。

 私が特に興味をそそられたのはハスカップでした。ジュースやジャム、洋菓子などに加工されたものがお土産売り場に陳列されているのを見たことはあるものの、果実が販売されているのは見たことがありませんでした。

 不思議に思い、ハスカップについて色々と調べてみると、ハスカップとは「枝の表面になるもの」を意味するアイヌ語「ハシ・カ・オ・プ」が元になった通称で、本名は「クロミノウグイスカグラ(黒実鶯神楽)」ということがわかりました。また、その果実は傷みやすく、日持ちしないため加工品ばかりが流通している、ということでした。

 現在ハスカップは、北海道の特産品として栽培が盛んに行われていますが、北海道には野生のものも生育しています。しかし、生育地の開発が進み、生育数が激減し、簡単にはお目にかかれないそうです。ちなみに加工されて出回っているものは、全て栽培されたものを利用しています。

 

 そこで私は、是非とも野生のハスカップを食べたい!と思い、1ヶ月間ほど野山を探し回り、ついに発見することができました。

 


野生のハスカップ。アイヌ民族の間では不老長寿の実とされていました。

 

 寄生虫感染を防止するため、72時間冷凍した後に、そのままで食べてみました。すると野生のハスカップは小ぶりですが酸味が強く、後味に若干の青臭さがあり、個性が強く光る味でした。エグみが強いものもあったので、熟し具合により味にかなりの変化が出てくることが想像されました。実際、熟す前の緑色の実は青臭さと苦みが強く、とても食べられたものではありませんでした。しかし熟したものは強い酸味が癖になる味でした。

 野生のハスカップを採取した帰りにスーパーへ寄ると、偶然にも栽培されたハスカップの果実が販売されていたので、それを購入し、同じように冷凍して味の比較をしてみました。前述したように保存が難しいと聞いていたので、売られているものを見た時には驚きました。

 


左が栽培のハスカップ、右が野生のハスカップです。
比較すると、粒の大きさの違いがはっきりわかります。

 

 栽培のハスカップは実が大きく、ブドウに似た甘みがあり、酸味は感じますがそれほど強く無く、そのままでも食べやすいものでした。対して野生はその強い酸味からジャム等の加工品に向いているという印象でした。よくブルーベリーに似ていると表現されるハスカップの味ですが、野生、栽培ともに今回食べたものはあまり似てはいないと感じました。ブルーベリーに似た風味が出てくるのは、ジャムなどに加工した場合のようで、今回入手した2種もジャムにするとブルーベリーのような風味が感じられました。また、加熱することで青臭さやエグみを消すことができ、食べやすくなりました。

 野生のものを食べていると、品種改良の成果を思い知ることが多々あります。今回のハスカップについても、甘さや生産効率を求めた結果生まれた栽培のものと、野生のものでは、見た目や味が大きく異なることに驚かされました。

 ぜひ売られているものだけではなく、野生の生き物も食べてみることをお勧めします。今まで知らなかった美味しい食材との出会いや、新しい発見があるかも知れません。

 

 ※知らない生物は絶対に口にしないでください。今回取り上げたハスカップの仲間にも、ヒョウタンボク等の健康に害をもたらすものがあります。それ以外にも、そのままの状態で食べることはエキノコックス等の感染を招くリスクがあります。また、生き物を採取する際は、乱獲を控えましょう。生物を採取する行為はどのような量であろうと生態系に圧力がかかります。地域によっては希少生物に指定されていたりするものもありますので、よく調べてから行ってください。

 

 

<参考文献>
山岸 喬・山岸 敦子(2010)北海道 山菜・木の実図鑑. 170-171,北海道新聞社.

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