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2017年08月23日

北海道レッドリストの改訂について

 北海道レッドデータブックが2001年に発行されてから、これまでリストの見直しがなされていませんでしたが、2014年から見直し作業が進められていました。

 そして2015年に両生類・爬虫類、2016年に昆虫のチョウ目、哺乳類、2017年4月に鳥類が改訂されました。今後も見直しが終わったものからHPに公開されていくこととなっています。

 私は日ごろ主に鳥類の調査をしています。今回の鳥類のレッドリスト改訂により、新たに指定された種やランクに変更のあった種等がかなりあり、それらを覚えるのに苦慮しています。指定された種については、調査において「重要種」として取り扱うことになり、調査時の記録のとり方も変わります。そのため、どの種が重要種であるかということをしっかり覚えていないと、記録の漏れが発生します。調査をおこなう者としては、これまで気にかけてこなかった種を気にするというのは、なかなか慣れないもので、緊張した調査が続いています。

 今回新たに指定された種として、スズメ程の大きさの「ホオアカ」という草原性の小鳥がいます。最近の私の調査地は草原環境が多いため、このホオアカを調査で見ない日はないというくらい見たり、鳴き声を聞いたりしています。それぐらい普通に生息する種だと思っていたものを「重要種」と認識して、記録を取るというのはなかなか大変な作業となります。

 


4月に重要種として指定されたホオアカ@留萌

 

 ここまでのお話で「なぜ、そんなにたくさんいる種が指定されているのか」という疑問がわく方がいると思います。ホオアカは草原があれば生きていけるのですが、草原環境というのは河川敷や耕作放棄地等の限られた場所であり、そういった所は簡単に改変を受ける場所でもあります。また、草原は放っておくと樹林化もします。つまり、草原を維持していくことはそれなりに難しいということになります。

 そう考えていくとホオアカの生息環境はかなり脆弱であると考えられ、それにより生息数の減少が懸念されます。というわけで、「また君か」と思わずに、ホオアカの記録を一生懸命とっていきたいと思います。

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