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2017年04月25日

大雪山~カムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)~

 みなさんは、大雪山に登ったことがありますか?

 大雪山は、北海道中央部に位置し、国立公園や国の特別天然記念物などに指定されている北海道では誰もが知っている山です。「大雪山」は、大雪山系とも呼ばれ、一つの山を示す名称ではなく、北海道最高峰の旭岳(標高2,291m)を主峰とする大雪火山群、十勝岳火山群、石狩山地などの山々の総称であり、南北約64km、東西約62kmの規模を誇ります。アイヌ語では、「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」とも呼ばれています。なんとも神秘的で、どんなに素敵な場所なのだろうかと想像が膨らみませんか?

 1923年(大正12年)に大雪山を踏破した文人の大町桂月は、紀行文『層雲峡から大雪山へ』の冒頭で、「富士山に登って山岳の高さを語れ、大雪山に登って山岳の大きさを語れ」と大雪山の雄大さを表現する有名な一節を残しています。

 残念ながら、私は富士山に登ったことがありません。私が登った山で一番高い山は、日本で5番目に高い北アルプスの槍ヶ岳(標高3,180m)です。写真1は、槍ヶ岳の山頂から穂高連峰方向を撮影したものです。本州の山はとても高く急峻で、山頂部付近はとても狭いです。

 

 

写真1 急峻な北アルプス(2015年9月筆者撮影)   写真2 広大な大雪山(2016年10月筆者撮影)

 

 一方、写真2は、昨年の植生調査で、大雪山北部の赤岳(標高2,078m)に登った際に、北鎮岳・凌雲岳方向を撮影したものです。本州の山より1,000mほど標高が低いですが、2,000m級の高山帯に広大な台地が広がっており、本州の山とは全く別世界でした。まさに「神々の遊ぶ庭」という呼び名がふさわしい、悠久の時の流れを感じられるような雄大な景色で、とても感動しました。

 大雪山には、大雪山旭岳ロープウェイと大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイで比較的簡単にアプローチすることができ、登山客だけでなく、多くの観光客が訪れています。4月下旬では、高山帯はまだまだ雪に閉ざされていますが、これから雪解けを迎え、美しい高山植物が咲き誇る季節がやってきます。みなさんも、大雪山に登って、北海道の雄大な自然を満喫してみてはいかがでしょうか。

※アイヌ民族は、山の神(キムンカムイ)としてヒグマを崇めており、カムイミンタラは「ヒグマの生息地」などを意味する場合や説もあります。

 

<参考文献>
佐藤謙(2006)北海道高山植生誌.北海道大学出版会,688.
成田新太郎・編(1994)大雪山自然ハンドブック:雄大な植物群と北方系動物を探る. 株式会社自由国民社,142.

<参考ホームページ>
“日本の国立公園 大雪山国立公園”. 環境省.
<https://www.env.go.jp/park/daisetsu/index.html>
“大雪山旭岳ロープウェイ”. ワカサリゾート(株).
<http://wakasaresort.com/asahidakeropeway/>
“大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ”. (株)りんゆう観光.
<http://www.rinyu.co.jp/modules/pico01/>

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