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2016年07月25日

猫に恩返し

 猫(狭義にはイエネコ、Felis silvestris catus)はネコ目ネコ科の肉食性を有する哺乳類で、世界中に多様な種類が分布しています。また、その愛らしい容姿や人に懐きやすい性格から、犬と並ぶ愛玩動物として知られています。我が国においても、「借りてきた猫」、「窮鼠猫を噛む」、「猫に小判」等のことわざが多数存在することや、「吾輩は猫である」、「注文の多い料理店」等の著名文学作品の題材として扱われる頻度が高いことから、古来より親しまれてきたことは言うに及びません。加えて、昨今は空前の猫ブームが到来しており、猫を家族として迎え入れる世帯数が急増しています。

 かくいう私も愛猫家の端くれであると自負しています。居住環境の制約等から現在に至るまで猫を家族として迎え入れたことはないのですが、足繁く猫の写真を撮影するために街頭の猫溜まりへ赴いたり、他世帯の飼い猫と戯れたりすることで欲求を満たしてきました。

 話は変わりますが、本年4月に私へ弊社泊事業所着任の辞令が下りました。入社早々のこの辞令を形容するのであれば、青天の霹靂という言葉の他に存在しません。また、着任にあたっては、事前に様々な情報が錯綜していたこともあり、兎にも角にも不安事項が脳裏を過っていました。このような心境で着任し、無我夢中で業務にあたり、矢のように光陰が過ぎ去っていったある日、退勤後の疲れ果てた状態、宿舎周辺で私はふとある事に気が付きました。

「猫が多い」
 

 そこには我が物顔で車道を独占し、番屋を宿代わりにしているであろう猫達が生活を営んでいたのです。猫達はあまりにも堂々と周辺の人々の生活に溶け込んでいたため、着任後すぐに気付くことができなかったのでしょう。

 私はすぐさま、新参者として猫達に挨拶を試みました。猫達は私に対して最初は警戒していたものの、時間の経過と共に打ち解けてくれました。そして新参者を一目見ようとしてなのか、猫達が徐々に集まり、気が付くと私は取り囲まれていたのです。この状況は疲れ果てていた私にとって光明が差し込んだ瞬間であり、至福のひと時でした。これ以降、私は退勤後に猫達へ挨拶する事が日課の一つとなったのです。

 この出来事が一因となり、私がそれまで泊事業所勤務に抱いていた不安が払拭されたと言っても過言ではありません。そして、これは私が日々の業務に打ち込むための原動力の一つともなっており、いつしか「泊事業所の方々と関係者各位、およびこの猫達とこの地で頑張ろう」という意識を持てるようになりました。私はこのような気持を抱かせてくれた、猫に感謝するとともに恩返しをしたいと考えています。

 最後に、私は愛猫家の諸氏に泊村に訪れることを強く推奨し、筆をおかせていただきます。


私を取り囲んだ猫達

<参考文献>
愛犬の友編集部(1990)日本猫の飼い方.誠文新光社.
“猫派が犬派を逆転!?シングル中心に広がる新ペットブームの舞台裏”.日経BPネット.<http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/matome/15/325410/021500177/>
 

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